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成功すれば満足のいく噛み合わせを手に入れることができるインプラント。しかしながら中には、治療のミスによって様々なトラブルが生じるケースも、依然としてあります。
代表的な失敗事例の一つが神経麻痺。何らかのミスにより、神経が圧迫されたり損傷したりして、口を自由に動かせなくなるトラブルです。治療の失敗による神経麻痺の症状とは他にどのようなものが考えられるのでしょうか。
モノを噛む際、当然ながら、私たちのアゴは自動的に動いているわけではありません。脳が「噛め」という命令を下すからこそ、私たちは正しくモノを噛むことができます。
この脳からの命令を筋肉に正しく伝えるための道路が、神経。よって神経に何らかの不具合が生じると、脳からの命令はアゴに正しく伝わりません。
インプラントによる神経麻痺においても、症状は同じ。アゴに違和感がある、うまく動かせないといった症状があらわれます。
神奈川県内に住むある70代の女性は、3年前にインプラントの手術を受けました。入れ歯をインプラントに変えれば食事を美味しく食べられる、とドクターから勧められたことがきっかけでした。
術後、女性は唇からアゴにかけての感覚が麻痺。モノを自由に噛めないどころか、手を添えなければ食べ物が口からこぼれてしまう状態に。無意識で唇を噛んで出血を起こすなど、神経を損傷したことが原因と思われる様々な症状が現れ始めました。
別の歯科医院で状態を診てもらったところ、インプラントの治療ミスによる神経圧迫が原因との診断。治療から3年経った今でも、症状は改善していません。
医療に従事しない一般の方から見れば、どの歯科医師も専門家。自分の治療でミスが起こるなどということは、想定すらせずに治療を受ける方が多いのではないでしょうか。
しかしながら実際には、歯科医師によって結果に大きな違いが生じる治療がインプラント。成功するも失敗するも、ひとえに歯科医師の技術レベルに問題があります。
インプラント失敗によって神経麻痺が起こる主な原因を、3つに分けて考えてみましょう。
インプラントを行なう際、ドクターは精密なCT検査によって骨の位置や厚さ、さらには神経の位置などを正確に把握しなければなりません。CT検査が不徹底であったり、そもそもCT検査を行なっていなかったりする歯科医院の場合、神経損傷のリスクは高くなるでしょう。
現在でこそ歯学部の学生はインプラントの基本を学ぶ機会が増えましたが、かつては大学でインプラントの講座を全うに用意している例は極めてまれでした。
そのような時代に歯学部を卒業した現役の歯科医師の中には、インプラントメーカーなどが主催するわずかばかりの研修を経て、すぐに臨床で実践する例もあります。いかにベテランドクターであれ、インプラントという新しい分野をすぐに実践で使うことには、安全性の問題から無理があるでしょう。
神経麻痺のリスクが高いことを承知のうえで、あえてインプラントを断行する歯科医院もあります。その背景の一つには、歯科医院の経営難があると言われています。
全国の歯科医院の数は、全国のコンビニエンスストアの数の2倍弱。虫歯や歯周病などの保険診療のみでは、現実として経営が困難なクリニックも少なくありません。そのようなクリニックの中には、技術レベルの不足を承知のうえで、あえて診療メニューにインプラントを置く例も見られます。
インプラントの失敗による神経麻痺の多くは、下歯槽神経の損傷によるものが原因です。下歯槽神経麻痺について、詳しく解説します。
下歯槽神経とは、下顎の骨の中にある神経のこと。
具体的には、下顎の奥歯のずっと下から始まり、耳の近くまで伸びている神経となります。この下歯槽神経は、顎全体の皮膚感覚や下唇の表面の感覚などに関係している、とても大切な神経です。
この神経が損傷、圧迫されてしまうことで、顎に麻痺が残ってしまうことがあります。この麻痺の状態のことを、下歯槽神経麻痺と言います。歯科治療の現場では、インプラントのほかにも、親知らずの抜歯などでも考えられるリスクになります。
歯科医師にとっても、下奥歯の治療をするときには、下歯槽神経を傷つけないよう、細心の注意を払う部分でもあります。
下歯槽神経麻痺が起こってしまう原因は、担当歯科医師の判断力によるものが大きいです。経験が浅い歯科医師は、神経の位置を正確に把握できないケースもあるということです。
そのため、神経麻痺といったトラブルを避けるのであれば、経験と実績があり、高度な技術力を持つ歯科医師に診てもらうことが重要となります。
また、歯科医師の経験や技術のみならず、精密性の高い歯科用CTを用いることで神経の位置を正確に把握することができます。歯科クリニックの導入設備などにも目を配ることで、神経麻痺といったトラブルを避けることは可能です。
かつて、「一度損傷した神経細胞は元に戻らない」と考えられていた時代がありました。しかしながら昨今では、完璧ではないものの、神経を回復させるための医療技術は進展しています。
ビタミンB12とATPの処方により、口に生じた神経麻痺が改善することがあります。ただし、これらの投薬により一定の効果をもたらすことはできるものの、劇的な改善を期待することはできません。
インプラントによる圧迫が神経麻痺の原因である場合には、当該インプラントを摘出することで症状が改善します。
ただし神経の断裂等が原因の麻痺の場合、インプラントを摘出しても症状は改善されません。
神経断裂などが原因による麻痺の場合、神経縫合や神経移植などの外科手術で症状を改善に導くことはできます。
神経断裂が判明したら、なるべく早期に治療を受けたほうが予後良好となります。
レーザー照射による温熱療法が、各種の神経障害に効果的であることが分かっています。
脳卒中や心筋梗塞などとは異なり、インプラントは一刻を争う治療ではありません。よって歯科医師からインプラントの提案を受けた際、患者は結論を焦らず、セカンドオピニオン、サードオピニオンを取るなどして、じっくりと治療を検討してみてください。
十分な検討の上でインプラントを受けることを決意したならば、以下の2点を重視してクリニックを選びましょう。
たとえインプラントの症例が少なくても、失敗なく器用に治療をこなすドクターはいることでしょう。あるいは、インプラントの学会資格を保有していなくても、インプラント症例の多いドクターもいることでしょう。
しかしながら一般の方が、上記のような名医を見つけることは困難です。神経麻痺のミスが生じるも生じないも、ひとえにドクターの技術レベル次第。技術レベルの高いドクターを選ぶためには、客観的な基準として、そのドクターが「インプラントの学会資格」を持っているかどうかを、必ず確認してください。
インプラントの学会資格を付与されるためには、一定の症例数を持っていることが前提。インプラントの技術レベルや知識を試す試験も行なわれるため、少なくとも神経麻痺のようなミスを犯す技術レベルでは合格しません。インプラントの学会資格を持つ医師を選ぶことで、麻痺に限らずトラブルが起きるリスクは回避できるといえるでしょう。
少しでもインプラント症例の多い歯科医院を選ぶことは、非常に大事な要素。なぜならば、インプラントは職人技が要求される治療だからです。
職人技のレベルは、概ね症例数に比例します。よってカウンセリングの際には、目の前のドクターに対し、遠慮なく症例数を訪ねてみてください。返答に一瞬でも窮したドクター、または機嫌を損ねるドクターは避けるべきでしょう。
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