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インプラント治療から数年後に出てきた痛みをどうにかしたい

インプラント治療の10年後の維持率は90%を超える(※)とされているので、多くの患者さんはインプラントを10年以上問題なく使用していると考えられます。

実際にインプラントの保証は10年に設定されている場合が多いので、少なく見積もってもその程度の期間は問題なく使えるという前提の治療だということがわかります。

しかし、あまり多くはありませんが、インプラント治療を受けてから数年後に痛みが出てくるケースもあります。

参照元:厚生労働省「歯科インプラント治療のための Q&A」(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/shika_hoken_jouhou/dl/01-02.pdf)

インプラント治療後に痛みが出る原因とは?

インプラント周囲炎の進行

治療から数年後に痛みが出る原因のひとつとして、インプラント周囲炎が進行している可能性が考えられます。特にインプラント治療後の適切なケアを怠っていると、インプラント周囲炎がゆっくり進行して、次第に骨が溶けていってしまいます。

こういうケースでは、治療が終わって当面は痛みや違和感もなく、数年経過してから歯科医院を受診して症状の深刻化に気づく場合も多いようです。治療としては、まず細菌を徹底的に取り除くことです。専用の器具や器械を用いて歯周ポケットのプラークや歯石を落とし、抗生物質を服用して症状の軽減を目指します。

改善しない場合は外科的治療として、歯肉を切開して炎症部分を取り除く処置を行なうこともあります。最悪の場合はインプラントを撤去せざるを得ないかもしれません。

インプラント治療後の経過が良好のように思えても、歯科医師の指示どおりに定期的なメンテナンスを受け、十分なセルフケアも忘れないようにしたいものです。

インプラントと骨の境目にひび

インプラント本体と、結合している骨の間にひびが入り、それが原因で痛みが出たり、インプラントが脱落したりする場合があります。

こうした状況も治療から数年後に起こりうることです。ひびの原因としては、強い歯ぎしりや歯を噛み締めるくせなどが考えられます。

また、ひびが入るとそこから細菌感染を起こすおそれもあります。これは上記と同じくインプラント周囲炎の原因にもなります。痛みに限らず何らかの異常を感じた場合は、早めに歯科医院を受診してレントゲンなどの検査を受けたほうがいいでしょう。

事例:10年前に入れたインプラントが痛み出した

10年前、奥歯に3本のインプラントを入れましたが、そのうちの1本が数カ月前から痛むようになったケースです。

考えられる原因はさまざまで、まず歯石の沈着によって歯肉に炎症が起きている可能性があります。また、インプラントのかぶせ物が緩んでいるために痛みが出ているのかもしれません。

いずれにしても、まずは歯科医院を受診することです。診察とレントゲン検査、歯周組織検査、噛み合わせの検査などを受ければ、痛みの原因はおおよそ絞られてくるはずです。

歯石の沈着が原因であれば、それを取り除くことで痛みは引いてくるでしょう。インプラント周囲の骨が溶けているなど、重度の炎症による痛みの場合はインプラントを撤去しなければならないかもしれません。

その場合、撤去したままだと残りのインプラントに負担がかかって噛み合わせにも影響するので、何らかの対策を講じる必要があります。

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事例:20年前に入れたインプラントの重大なトラブル

20年前にインプラントを入れましたが、3年前よりインプラントの周囲から膿が出るようになったというケースです。鼻詰まりのような感じもしていましたが、最近になって上あご全体が腫れあがり、痛みも激しくなってきたようです。

検査の結果、重症化したインプラント周囲炎が上あごの骨を溶かし、鼻腔や上顎洞(ほお骨の裏側の空洞)にまで炎症が広がっていることがわかりました。歯科だけでは手に負えずに耳鼻科と連携してインプラントを撤去、併せて鼻腔の手術を全身麻酔で行なったそうです。

インプラントを20年以上も維持するのは、本来であれば治療の成功だといえるはずですが、このケースでは患者さんにとって悲劇としかいえません。

無事にインプラントを撤去できたとしても、その後の口の中の機能回復は相当困難だったと思われます。せめてもっと早く歯科医院を受診していればと、そう考えざるを得ない事例です。

まずはしっかりと診察してもらってから適した治療を

インプラント治療の直後は問題なくても、様々な原因で数年経過してから痛みが出てくるケースがあることをご理解いただけたと思います。

中でもインプラント周囲炎は深刻な経過をたどることも珍しくなく、インプラントを長く使用していく上で定期的なメンテナンスと適切なセルフケアは必要不可欠です。 「インプラント治療を受ければ、この先ずっと天然の歯と同じように使える歯が手に入る」という認識は改めなければなりません。

もしもインプラント治療から数年後に痛みが出てきた場合は、速やかに歯科医院を受診し、歯科医師にしっかりと診察してもらって適した治療を受けるようにしましょう。その際は、インプラント治療に実績を持つ歯科医師を選ぶことはいうまでもありません。

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