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厚生労働省のHPに掲載されている平成26年3月31日時点の資料「歯科インプラント治療のための Q&A」の情報によると、歯科業界では一般的にインプラント治療を受けた人で、10年以上問題なく使用しているケースは全体の90%以上(※1)とされているので、多くの患者さんはインプラントを10年以上問題なく使用していると考えられます。
実際にインプラントの保証は10年に設定されている場合が多いので、少なく見積もってもその程度の期間は問題なく使えるという前提の治療だということがわかります。
しかし、あまり多くはありませんが、インプラント治療を受けてから数年後に痛みが出てくるケースもあります。
治療から数年後に痛みが出る原因のひとつとして、インプラント周囲炎が進行している可能性が考えられます。特にインプラント治療後の適切なケアを怠っていると、インプラント周囲炎がゆっくり進行して、次第に骨が溶けていってしまいます。
こういうケースでは、治療が終わって当面は痛みや違和感もなく、数年経過してから歯科医院を受診して症状の深刻化に気づく場合も多いようです。治療としては、まず細菌を徹底的に取り除くことです。専用の器具や器械を用いて歯周ポケットのプラークや歯石を落とし、抗生物質を服用して症状の軽減を目指します。
改善しない場合は外科的治療として、歯肉を切開して炎症部分を取り除く処置を行なうこともあります。最悪の場合はインプラントを撤去せざるを得ないかもしれません。
インプラント治療後の経過が良好のように思えても、歯科医師の指示どおりに定期的なメンテナンスを受け、十分なセルフケアも忘れないようにしたいものです。
インプラント本体と、結合している骨の間にひびが入り、それが原因で痛みが出たり、インプラントが脱落したりする場合があります。
こうした状況も治療から数年後に起こりうることです。ひびの原因としては、強い歯ぎしりや歯を噛み締めるくせなどが考えられます。
また、ひびが入るとそこから細菌感染を起こすおそれもあります。これは上記と同じくインプラント周囲炎の原因にもなります。痛みに限らず何らかの異常を感じた場合は、早めに歯科医院を受診してレントゲンなどの検査を受けたほうがいいでしょう。
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歯科医師が回答する良くある質問集
インプラント治療の直後は問題なくても、様々な原因で数年経過してから痛みが出てくるケースがあることをご理解いただけたと思います。
中でもインプラント周囲炎は深刻な経過をたどることも珍しくなく、インプラントを長く使用していく上で定期的なメンテナンスと適切なセルフケアは必要不可欠です。 「インプラント治療を受ければ、この先ずっと天然の歯と同じように使える歯が手に入る」という認識は改めなければなりません。
もしもインプラント治療から数年後に痛みが出てきた場合は、速やかに歯科医院を受診し、歯科医師にしっかりと診察してもらって適した治療を受けるようにしましょう。その際は、インプラント治療に実績を持つ歯科医師を選ぶことはいうまでもありません。