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インプラント治療での使用が期待されるボナーク

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インプラント治療で骨量が足りない場合に使用される骨再生誘導材。厚生労働省は2019年5月29日に、新製品となる「ボナーク」の製造販売を承認しました。この新たな骨再生誘導剤は、東北大学と東洋紡株式会社が共同開発したもので、インプラント治療を含む、歯科口腔外科領域の骨欠損修復を目標としています。

製品概要

歯科口腔外科領域では、骨欠損や骨吸収による障害が多くの問題となり、それに対応するためには「骨再生」が必要となります。現在でも多くの人工骨が商品化されていますが、信頼性の高いとされる治療方法は、「自家骨移植」という患者さん自身の骨を移植する方法です。

しかし、自家骨移植では、骨を取る事自体に手術が必要となり、患者さんに負担がかかります。医療関係者のなかでは、ボナークを使用することで自家骨移植を回避できる可能性も期待されています。

説明

ボナークとは、オクタカルシウムフォスフェート(OCP:Ca8H2(PO4)6・5H2O)と医療用コラーゲン(NMP コラーゲン PS日本ハム)の複合体のことを指します。オクタカルシウムフォスフェート・コラーゲン複合体(OCP/Collagen)は、東北大学と日本ハム株式会社が骨再生を目的に共同研究で開発。

スポンジ状の形状をしていて、患者さん自身の骨細胞を活性化させることによって、骨再生をおこなっていきます。これは、従来のようにほかの骨細胞や成長因子などの補填は必要としません。

東北大学病院など全国9施設で行なわれた臨床試験では、口唇裂・口蓋裂患者の顎裂部などの先天性疾患や、インプラント体埋入を前提とする骨造成(抜歯窩温存術・上顎洞底拳上術)、嚢胞腔に対してボナークを適用。この臨床試験において、骨再生に関する有効性と安全性が確認されています。

開発経緯

2015年から東洋紡株式会社は東北大学と日本ハム株式会社と特許実施許諾契約を締結。東北大学病院を含む全国9施設の臨床試験によって有効性を確認し、東洋紡株式会社が製造販売承認を取得しました。

特徴

開発会社

会社名 東洋紡株式会社 コーポレートコミュニケーション部
代表取締役社長 楢原 誠慈
事業内容 フィルム・機能樹脂、産業マテリアル、ヘルスケア、衣料繊維分野における各種製品等の製造、加工、販売。プラント・機器の設計、制作、販売。各種技術・情報の販売。
所在地 大阪府大阪市北区堂島浜二丁目2番8号
URL https://www.toyobo.co.jp/

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