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インプラントの不具合で再治療を受ける場合、状況によってはインプラントを撤去して再埋入を行なうケースや、インプラントの微調整や周辺の治療だけですむケースがあります。
いずれにしても、インプラントの不具合は大きく分けて手術後すぐに起こる事例、手術を受けてかぶせ物を装着した後にゆっくり起こる2パターンがあります。
インプラントの埋入手術を受けてすぐに不具合が起こる場合は、そもそも最初からインプラントと骨の結合が期待できない状態であったと考えられます。この場合は原因を解決した上で、再埋入を試みることになるでしょう。
しかし、一度手術を受けると以前の状態よりも骨の量が少なくなってしまうので、骨を増やす処置が必要になるなど治療の難易度が上がる傾向にあります。
現在は手術前の検査で骨との結合の程度をある程度は予測できるようになっており、結合の不具合が起こる可能性は低くなっていると考えられます。
かぶせ物を装着した後にゆっくり起こる不具合でいちばん多いのは、インプラント周囲への歯周病菌の感染、いわゆるインプラント周囲炎です。治療は基本的に重度の歯周病と同じで、外科的な除菌を施したり、骨移植を行なったりして病気の進行をできるだけ食い止めます。
症状によってはインプラントの撤去が必要になることもあります。他の歯も歯周病にかかっている場合は、その治療も同時に行ないながら病原菌の数をコントロールすることが重要です。
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それでは、インプラントを撤去・再埋入しなければならない状況には、どのようなケースがあるのか見ていきましょう。
インプラントはあごの骨に本体を埋入し、骨と本体を強固に結合させることで成立する治療です。インプラント本体はチタンという金属でつくられており、さまざまな金属の中でほぼ唯一と言える、骨と強固に結合する特徴を持っています。この結合を専門用語では「オッセオインテグレーション」といいます。
オッセオインテグレーションに至らなければ強く噛むことができず、結果としてインプラントを撤去しなければなりません。その理由はさまざまですが、骨の量が足りないこと、糖尿病や喫煙などが原因として考えられます。
インプラントは外科手術を伴う治療法です。手術の際に処置がしっかりされていなかった場合や、埋入方向が適切ではなかった場合などはインプラントが不安定になり、神経や血管を傷つけてしまって撤去せざるを得ないことがあります。とはいえ、現在は歯科用CTなど高精度な検査機器の普及によって、このようなトラブルのリスクは大きく減少しています。
こうした手術操作の不具合は、場合によっては数年ほど経過してから発生するケースもあります。症状も痛みや腫れ、ぐらつきなどさまざまなので、少しでも異常を感じたら信頼できる歯科医院に相談しましょう。
インプラントのぐらつきや脱落の原因でもっとも多いのは、インプラント周囲炎だといわれています。インプラントは天然の歯とは違って歯根の免疫作用がないので、インプラント周囲炎は通常の歯周病よりも進行が早いのが特徴です。悪化するとどんどん骨がやせ、インプラント本体と骨の結合がなくなって、最終的には撤去しなければなりません。
インプラント周囲炎を予防するには、自分で行なうケアも大切ですが、歯科医院での定期的なメンテナンスをきちんと受けて早期発見に努めることが何より重要です。インプラント治療が無事に終わったとしても、油断は禁物です。
インプラント本体の原材料であるチタンはアレルギー反応をほとんど起こさないといわれており、金属アレルギーの人でも問題なく使えることが多いようです。
しかし、まれにチタンアレルギーの人がいます。通常はインプラント治療の前に検査を受けるのでトラブルにはなりませんが、きわめて少ない例として、数年経過してからチタンアレルギーを起こすというケースもあります。
食べ物などでもこれまで大丈夫だったものが突然アレルギーの原因物質になる場合がありますが、金属も同じです。チタンアレルギーになってしまった場合は撤去せざるを得ないでしょう。
インプラントの再埋入、再治療にはさまざまなケースがありますが、いずれにしても初回治療がなぜうまくいかなかったのかを正確に分析する必要があります。
インプラントの不具合への対応は初回治療よりも難しくなることがほとんどです。特にインプラント周囲炎で撤去した場合、再埋入・再治療を行なうかどうかは非常に難しい判断になるでしょう。
大切なことは、少しでも不具合を感じたら、しっかりと歯科医師の診断を受けて適した治療を選択することです。その際は、インプラント治療、特に修正手術の実績がある歯科医師が在籍していることを条件に歯科医院を選びましょう。