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ここでは、従来のインプラントより長さが短いショートインプラントについて、その概要やメリット・デメリットなどをご紹介します。
ショートインプラントとは、従来のインプラントに比べて長さが短いインプラントのこと。インプラントは顎の骨との結合を前提にした治療のため、従来、少しでも長いインプラントのほうが頑丈に結合し、かつ残存率が長くなる、と思われてきました。一昔前は、最低でも10ミリ、できれば12ミリ以上、可能なら18ミリの長さのインプラントが理想とされていました。
ところが昨今では、インプラントの長さと残存率との間には、大きな関連性がないという見解が主流。5ミリや6ミリの短いインプラントでも、10ミリ以上の長いインプラントと残存率に大差がない、とのデータも公表されました。
ある研究機関で、インプラントの長さと残存率について、以下のようなデータが得られています。
2年という短い観察期間でのデータではありますが、インプラントの長さと残存率との関係について、非常に示唆に富んだ結果でもあります。
ショートインプラントのメリットとデメリットを見てみましょう。
インプラントを行うためには、インプラントを支えるための十分な顎の骨が必要。顎の骨が足りない患者においては、骨を補填する手術が必要となります。
ショートインプラントを用いることにより、顎の骨が不足ぎみの患者でも、骨の補填をすることなくインプラントを固定させることができるようになるでしょう。
短くてもしっかりと固定させるために、ショートインプラントの表面は、ザラザラとした特殊な加工が施されています。よって、加齢等によって歯茎が下がってくると、このザラザラとした面が露出し細菌の温床になるのでは、と考えられています。
日本人を含めたアジア人は、欧米人に比べて顎の骨が薄めです。よってインプラントを受ける際、骨の補填手術が必要となるケースは少なくありません。骨の補填が不要になる可能性があるショートインプラントは、顎の骨が薄いアジア人には、とても適した治療となるでしょう。
また、70歳以上の高齢者の場合、侵襲の高い骨の補填手術はリスクが高いとされています。骨の補填を必要とせずにインプラントが受けられようになれば、より多くの高齢者がインプラント手術を受けられるようになるでしょう。