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インプラントを良好な状態で受けるためには、抜歯のタイミングが非常に大切。インプラントと抜歯の関係について確認しておきましょう。
抜歯するタイミングとは、どんなときでしょう。
患者さんが考える抜歯のタイミングと言えば、多くの場合、耐えがたい歯痛に苦悶している時だといえます。「歯を抜いてしまえば、この苦しみから解放される」と考えるようで、中には、抜歯をしてくださいと懇願する患者様も見られます。
逆に、虫歯や膿がかなり進んでいたとしても、痛みがない以上は抜歯という発想が出てこない方がほとんどです。しかし、歯科医師は抜歯の基準について、このように「痛くなったら抜く」という視点とは全く異なる見解を持っていることを理解しておいてください。
患者様が訴える痛みや腫れを抜歯の基準とする歯科医師は、恐らく一人もいないでしょう。その症状の原因が、のちの治療に影響を与えるかどうかという視点に立ち、歯科医師は抜歯を検討します。
逆に言えば、たとえ今は患者様に痛みや腫れの自覚症状がなかったとしても、確実にこのままでは状態が悪化し、やがて治療をより難しいものにする、と判断できる場合に抜歯を提案します。
長期的な視野をもち、患者様のメリットになると判断できる場合に抜歯をする、ということです。
歯科医師にとって非常に悩ましいケースは、痛みがないからと言って抜歯を拒絶する患者様がいること。
そのまま放置すれば確実に状態が悪化し、あらゆる治療を難しくすることが目に見えています。しかし、患者様が拒絶すれば抜歯を行うことはできません。
歯科医師が抜歯を提案する背景には、医学的な背景や理由があるということを歯科医師からも伝えなければならないですし、患者様サイドも理解をする必要があります。
インプラントとは、インプラント体という下部構造と顎の骨とがしっかりと結合することで初めて成功する治療です。
顎の骨の状態が悪ければ、インプラント治療にさまざまな悪影響を与えたり、場合によってはインプラントができなくなったりするケースがあります。
歯科医師が「抜歯の必要がある」と判断した歯は、半年後~一年後に、確実に状態が悪化します。実際に半年以上経過した時点で顎の骨を調べてみると、骨が痩せてしまっているというケースが大半です。
顎の骨がしっかりしていなければ、インプラントはできません。結果、骨を補強するなどの処置に、余分な期間や費用がかかってしまうことになり、骨移植等の処置を拒めば、永遠にインプラントを行うことができません。
歯科医師にとってみれば「半年前、1年前に抜歯に応じてくれれば簡単に治せたのに…」と思うことが日常茶飯事です。
将来的にインプラントを考えている方は、たとえ現在痛みがなかったとしても、歯の具合があまり良くないと感じた時点で歯科医院に診てもらうようにしてください。
場合によっては、その状態を半年、一年と放置してしまったことによって、インプラントの治療が困難になってしまうケースがあるからです。
痛みや腫れなどの自覚症状で判断するのではなく、CT画像やレントゲン画像などを通じ、医学的な視点から歯の状態を判断してもらうようにしましょう。